矯正治療について
歯並びの問題が気になり、人とのコミュニケーションや大勢の前でスピーチすることなどに苦手意識を持つ方は少なくありません。歯並びが整うと自信が芽生え、活発な性格になったり社交的になったりする場合があります。また、出っ歯や受け口など歯並びのトラブルは、見た目の美しさだけではなく身体にさまざまな悪影響を及ぼします。
- 汚れが溜まりやすいためむし歯や歯周病のリスクが高い
- 口臭が強くなりやすい
- 食べものをよく噛めない
- 胃腸に負担がかかる
- 全身のバランスが崩れて肩こりや頭痛などが起きる
- 審美的な問題がストレスに繋がる
- 顎の成長が悪くなったり成長の方向に支障をきたしたりする
当院では、セファログラムと呼ばれる顔面・頭部のレントゲンを使用しております。矯正治療前、途中、終了後に撮影することで、矯正治療の進み具合がわかります。また、上下の顎のサイズやズレ、顎の形、歯の傾斜角度、口元のバランスなど、全身の健康に繋がる重要な情報も取得できます。
矯正治療のメリット
1むし歯や歯周病のリスクを抑えられる
むし歯や歯周病は、歯と歯の間や歯と歯茎の境目に付着する歯垢が原因です。歯垢は細菌の塊であり、放置すると歯を溶かしたり歯茎や顎の骨を破壊したりします。歯並びが悪いと、これらの部位に溜まった歯垢は取り除くことが難しくなります。
2身体の健康を守る
歯並びは、発音や呼吸、姿勢など身体の重要な機能に深く関与しています。正しい歯並び、噛み合わせは身体の健康を守ることに繋がります。
3顔のバランスを整えられる
歯並びの問題は、上下の唇のずれ、左右バランスの大きな差などを生みます。歯並び・噛み合わせが整うと、顔のバランスも整いやすくなります。
非抜歯による矯正治療
歯を移動する際には、スペースの確保を目的に健康な歯を抜く場合があります。当院では、可能な限り非抜歯で矯正治療を行っております。非抜歯の矯正治療のメリットは、抜歯を伴う矯正治療よりも短期間で終了することです。抜歯して歯が並ぶスペースを確保する場合、空いたスペースに別の歯を動かす必要があるため、非抜歯よりも治療期間が長くなります。
非抜歯で対応できないのに無理に非抜歯で矯正治療を行うと、歯並びがきれいに並ばない恐れがあるため、抜歯が必要な場合はその理由をご説明し、ご納得いただいたうえで抜歯します。抜歯と非抜歯の基準は次のとおりです。
非抜歯の基準
- 抜歯をしなくてもきれいな歯並びへ整えられる
- 抜歯をしなくても美しい横顔を作れる
抜歯の基準
- 抜歯をしなければ正しい歯並びへ導けない
- 抜歯をしなければ美しい横顔を作れない
代表的な不正咬合
叢生(そうせい):⻭列のデコボコ
⻭に⾷べかすが残りやすく、笑ったときに⽝⻭が⾒えることが多い症例です。⼀般的に、「叢⽣(そうせい)/乱杭⻭、⼋重⻭」などと呼ばれています。あごの⼤きさと⻭の⼤きさのバランスが悪いために、⻭がデコボコに⽣えたり、重なったりしている状態。⻭を磨きにくいため、⾍⻭や⻭⾁炎を起こしやすくなります。
上顎前突:出っ歯
上顎前突は、いわゆる出っ歯のことです。上顎が過度に成長している、下顎の成長不足、指しゃぶり、前歯の角度の異常、口呼吸などが主な原因です。口を閉じることが難しいほどに重度の場合、無理に口を閉じると盛り上がって不自然に見えます。
下顎前突:受け口
下顎前突は、受け口とも呼ばれます。下顎が上顎よりも前に出ており、いわゆる「しゃくれ」の状態です。うまく噛めない、発音が悪いなどの問題が生じます。遺伝的な要因で発症するとされていますが、上唇を噛むなど口周りの癖も影響を及ぼすと考えられています。
開咬(かいこう)
開咬は、口を閉じたときに、奥歯は噛み合っているのに上下の前歯が触れない状態です。指しゃぶりや口呼吸、舌を突き出す癖などが関連しているといわれています。麺類を前歯で噛みづらくなることで、食事に師匠をきたす場合があります。また、発音が不明瞭になることでコミュニケーションに支障をきたすケースも少なくありません。
過蓋咬合(かがいこうごう)
過蓋咬合は、噛み合わせが深い状態です。下の歯に上の歯が大きくかぶさっており、前歯に大きな負担がかかります。笑ったときに上の前歯の歯茎が見えたり、下の前歯が上の歯茎を傷つけたりします。
正中離開:すきっ歯
正中離解は、いわゆる「すきっ歯」のことです。サ行のように、前歯に舌をつけて発音する言葉が不明瞭になります。原因は、歯と顎の大きさの不適合、生えている歯が不足していることなどです。
口ゴボ(くちごぼ)
口コボとは、口元が盛り上がった状態のことです。顔を横から見ると、唇と鼻の高さが同じか唇の方が前に出ています。原因は、出っ歯です。口を閉じたときに歯によって口元が盛り上がって見えます。口コボが気になって口元を手で隠したり、笑うことができなくなったりする方は少なくありません。また、口が開きやすく、口の中が乾燥しやすいので、自浄作用のある唾液の分泌が減少してむし歯や歯周病のリスクが高まります。さらに、噛み合わせが悪いことが原因で、顎関節への負担が増えます。
不正咬合による身体への影響
不正咬合とは、正しく嚙み合っていない状態のことで歯並びだけでなく、顎の成長異常による不正咬合のケースもあります。
指しゃぶりや舌癖や遺伝的要因なども不正咬合の原因の場合があります。
不正咬合は、咀嚼や発音、顎の発育、顎関節への悪影響が出てしまうほか、見た目による影響から心理的な影響が起こり得ます。
不正咬合が及ぼす影響
- むし歯・歯周病になりやすくなる
- 食べ物がうまく噛めない
- 上手に発音ができない
- 頭痛や肩こりになりやすい
不正咬合は、口腔内への影響だけでなく、身体全体への影響が起こりやすくなります。
そのため。自分の歯並びが悪い、かみ合わせが悪いと感じるときは矯正治療で改善が可能ですので、まずはご相談ください。
歯並びの改善によるメリット
1多くの歯を残すことができる
歯並びがきれいになることで身体のバランスが良くなり、お口のトラブルを予防することができます。
そのため、多くの歯を健康な状態で残すことができやすく、健康寿命が延びるようになります。
2むし歯・歯周病になりにくくなる
歯並びがきれいになると歯磨きもしやすくなったり、食べ物が詰まりづらくなることでむし歯や歯周病のリスクが低減します。
また、口腔内が清潔に保たれるため口臭の改善も期待できます。
3コンプレックスの解消
歯並び整うことで見た目に自信がでて、笑顔が出やすくなります。
そのため、見た目のコンプレックスから解放され、人の目を気にすることがなくなります。
4顔・身体のバランスが整う
歯並びやかみ合わせが悪いと全体的なバランスが悪くあり身体に負担がかかります。
歯並びが整うことで顔の筋肉の歪みがなくなり、頭痛や肩こり、めまいなどの症状が起きりづらくなります。
一期治療から二期治療の流れ
一期治療
一期治療は一般的に3歳から始めるとされていますが、いつまでに始めたほうがいいということではありません。
また、一期治療をしないで二期治療から歯列矯正を行うお子様もいらっしゃいます。
6歳くらいまでを乳歯列期、6歳ごろから混合歯列期と言われます。
顎の骨格を中心とした治療で、歯が正常な位置から生えて正しいかみ合わせとなるための土台を作っていきます。
一期治療では、専用の矯正装置を使用して治療を行います。
一期治療を行うことで将来的に歯並びやかみ合わせの悪化を予防する効果もあります。
また、この一期治療のまま歯並びがきれになる場合もあります。
二期治療
永久歯が生えそろってから行われる矯正治療です。
二期治療は成人矯正と同じく歯並びを整えることで小学校高学年くらいから中学生くらいまでのことと言われています。
乳歯のうちに整える一期治療とは違って二期治療は歯並びをきれいにすることです。
一期治療を行ってから二期治療を行う場合は抜歯をしないで矯正治療ができる可能性が高くなります。
矯正装置の種類
インビザライン(マウスピース矯正)
インビザライン(マウスピース矯正)は、2週間に1回交換しながら歯を少しずつ動かす矯正治療です。マウスピースにホワイトニング剤を入れることで、歯並びを整えながら歯を白くできます。また、金属を一切使用しないため、金属アレルギーの方も受けていただけます。
セラミックブラケット
セラミックブラケットとは、歯の色に近いセラミック製の装置を用いて歯を動かします。また、白いワイヤーを使用すれば、さらに目立たない矯正治療を実現できます。また、セラミックは金属を一切使用しないため、金属アレルギーの方にも適用可能です。
リンガルブラケット
リンガルブラケットは、歯の裏側にブラケットを取り付けて歯を動かす矯正治療です。ブラケットを取り付けてワイヤーを通し、歯に力をかけます。口を開けたり笑ったりしたときに、正面からでは矯正装置が見えません。